東京魔人學園剣風帖の龍麻と亜里沙の会話。
AIに別の絵を描かせた時に副産物として生まれた絵にそれっぽい話をつけてみた。
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校舎を出ると雨が降っていた。
朝から曇ってはいたけれど、ここまで降るとは思わなかった。
「最悪」
亜里沙は空を見上げてため息をつく。
傘はない。買えば済む話だけれど、今はどうにもそんな気分にはなれなかった。
今日は弟の命日だ。
毎年この日は墓参りに行くと決めているのに、今日に限って色んなことが噛み合わない。課題を提示し忘れて居残りになったし、部活動の顧問に後輩たちへの伝言を押し付けられた。そうこうしていたらこの雨だ。まるで行くなと言われているようだった。
そうは言っても行かないという選択肢はない。急がなければ日が暮れてしまう。
濡れることを覚悟で足早に校門を出ると、聞き覚えのある声に呼び止められた。
「おい」
校門の脇に立っていたのは龍麻だ。黒い傘を差している。
「なんでいるのよ」
「迎え」
当然のように言う。
「頼んでないけど」
「知ってる」
淡々と言う。亜里沙は眉をひそめた。
「じゃあなんで」
龍麻は少しだけ首を傾げる。
「今日だろ」
短くても核心を突いたひと言に、亜里沙は一瞬だけ言葉を詰まらせた。
雨粒が二人の間に落ちる。
「覚えてたの」
「前に聞いたからな」
まるで当たり前のように言う龍麻から、亜里沙は思わず視線を逸らした。
家族ならともかく、他に覚えている人なんてほとんどいない。
ましてこの男とはまだ知り合ってそれほど経っていない。
「傘、ないんだろ」
そう言って龍麻が傘を少し傾けた。入れという意味らしい。
亜里沙はしばらく黙っていたが、やがて観念して傘の下へ入った。
龍麻は何も言わずにただ隣を歩いている。
雨音だけが響いて、それは今の亜里沙には少しありがたかった。
「ねえ」
「ん?」
「もし私が帰ってたらどうするつもりだったの」
「そしたら俺も帰るよ」
「それだけ?」
「それだけ」
あまりに龍麻らしい答えで、亜里沙は小さく笑った。
「変わってるわね」
「そうかもな」
龍麻は冗談めかして言う。
そうして駅前を通り過ぎ、住宅街へ続く道に入る。龍麻は当然のようについてきた。
「どこまで来るつもり?」
「墓まで」
「なんでよ」
「傘一本しかないだろ」
亜里沙は呆れたように息を吐いた。
本当に女心が分からない男だ。これでモテないつもりらしい。
雨はまだ止みそうにない。
けれど不思議と、学校を出た時ほど鬱陶しくは感じなかった。
